インフィニットループ 広報ブログ

2015年04月30日 (木)

著者 : mizuno_as

ミニ四駆を作る技術

こんにちは、mizuno_asです。
さて、弊社オフィスがサッポロファクトリーに移転したのは先日お伝えした通りですが、なんと予告通り、社内にミニ四駆コースが設置されました!
ご存知の通り、インフィニットループでは社員の技術力向上のため、または健康増進のため、はたまたコミュニケーションのため、さまざまな部活動が日々、精力的に活動しています。となれば、ここでミニ四駆部が設立されないわけがありませんよね。
そこで今日は出戻りミニ四レーサーのための、ミニ四駆の作り方講座をお届けします。

ミニ四駆を手に入れよう


まずはミニ四駆を手に入れないことには話がはじまりません。筆者も当時の小学生の例に漏れず、棒きれでミニ四駆をぶっ叩いていた世代ですから、今回はもちろんこの超皇帝を選択しました。

組み立てに必要なのは、まずニッパーにデザインナイフ、それから紙やすりです。紙やすりは600番から1000番程度があるとよいでしょう。あとは万能ツールである調色スティックや、塗装用に万年皿、塗料一式、シンナー等々を必要に応じて準備してください。

パーツを切り出そう


まずはニッパーでパーツを切り出します。この際、ゲートを1mmほど残して切り離すのがコツです。ニッパーは対象物を押し潰して切断するため、パーツぎりぎりに刃を入れると、押し潰した際にパーツ表面をえぐって穴を開けてしまうことがあるためです。ランナーからはこのように大雑把に切り出し、後からナイフとヤスリでゲート処理をしましょう。

たい焼きを食べたことがある人ならわかると思いますが、2枚の鉄板の隙間に流れ込んだ生地が、中心線に沿ってパリパリとはみ出していますよね。プラモデルもこれと同じで、インジェクション成形された樹脂製品には、必ず金型の継ぎ目に出っ張り(パーティングラインと呼びます)が残っています。塗装した際に目立ちますので、紙やすりで削ってあげましょう。600番で軽く撫でてあげるだけで消えるはずです。

技術者たるもの、無駄にパフォーマンスを落とすことは厳に慎まねばなりません。そこでタイヤにはワンウェイホイールを装着してみたのですが ((でも実際はワンウェイホイールって重いのでイマイチみたいですね。)) 、なんとボディの一部と干渉してうまく装着できませんでした。そこでフェンダー部分を一部切断することにします。デザインナイフで削いでから、ここもやすりで仕上げました。

塗装の準備をしよう


プラスチックの表面には、金型からの剥がれをよくするための油がついています。このままでは塗料が弾かれてしまいますので、台所用洗剤で一度洗っておきましょう。これには前述の工作でついた手の脂や、プラの削りカスを落とす意味もあります。ちなみに100円ショップなどで売っている樹脂製品(たとえば書類ケースとか)がやたらヌルヌルするのもこれと同じ理由なので、一度洗うと表面が落ち着いて使い心地がよくなるのでオススメです。プラコンテナのような大きな製品の場合は、一緒にお風呂に入るのもよいでしょう。

スプレー塗装は溶剤と塗料の粒子を撒き散らすため、万全の対策で望む必要があります。屋外でやるのもひとつの手ですが、隣近所への迷惑や、風向きには十分注意しなければなりません。そこで今回は台所の換気扇を利用して簡易塗装ブースを作りました。見ての通りガス台を一時撤去したため、完成までの二週間ほど、筆者はお湯も湧かせなくなってしまいました。

いざ塗装!


まず全体にブラックを吹きます。こうすることで光の透けが抑えられ、オモチャっぽさがなくなります。また細かい傷を埋める意味もありますね。

小さいパーツは、ブラックの上から筆でメタルカラーをペタペタと塗っていきます。メタルカラーは下地を黒くすることで格段に発色がよくなりますので、そういう意味でも一度は黒を塗っておくとよいでしょう。

キャノピーは下地の黒をそのまま使ってしまいます(手抜き)。マスキングテープで丁寧にマスクしましょう。マスキングは、塗り分けラインはできるだけ細いテープで作ることと、はみ出す方向を考えるのがコツです。次に塗るのはボディカラーの白ですが、白と黒の隠蔽力の差を考えれば、ここのマスキングは少しくらい漏れてしまっても大丈夫です。気楽に行きましょう。

ボディにはタミヤのファインサーフェイサー ホワイト(通称タミヤ白サフ)を使いました。タミヤ白サフは非常に粒子のキメが細かく、下地とは思えないほどよい発色をしてくれるため、このままフィニッシュしてしまってもいいくらいです。というか、しました。今回のボディカラーはサーフェイサーの白そのままだったりします(手抜き)。
とはいえサーフェイサーですから、塗装後、若干のザラつきは生じます。一旦塗膜を紙やすりで軽く磨くのがいいのですが、それが怖いというのであれば、布やティッシュペーパーで全体を擦るのもおすすめです。それだけで上に乗る塗膜の仕上りがだいぶ変わります。

今度はホワイトの上にパターンをマスキングします。

細かい部分のマスキングは、このように三角に切ったマスキングテープを差し込むようにして行います。この時、ピンセットは使わないでください。ピンセットは思っている以上に太く、また「つまむ」という動作のため、精密な位置決めには向きません。ナイフの刃先か針を使うのが簡単でおすすめです。また塗装の乾燥中、塗膜の上にホコリが乗ってしまうことがありますよね。そんな時、ホコリの除去にピンセットを使うと、ほぼ確実に塗膜をえぐってしまいます。これも針先でつついて落とすか、乾燥後に紙やすりで削り落とすようにしてください。

そしてインフィニットループのコーポレートカラーであるオレンジをブシャー!

マスキングテープを剥がすとこんな感じに。この瞬間が、塗装で一番楽しいですよね!

デカールで仕上げよう!


せっかく会社の部活なのですから、痛車 社用車にしてみようと思います。会社のロゴとキャラクターのデータを用意して、デカールプリンターを持っている友人に印刷をお願いしました。そして出来上がってきたのがこちらです。

まず全体にクリアーのスプレーを吹いて塗装を保護しておきます。そして縁取り用の白いデカールをペタリ。

続いて同じ位置に、カラーのデカールを乗せていきます。微妙な三次曲面はマークソフターを使ってデカールをなじませていきましょう ((本当は車体側面にあいえるたんを貼りたかったのですが、三次曲面が思ったよりも手ごわく、挫折しました。)) 。

綿棒で、デカールの下に入り込んでしまった気泡を丁寧に押し出していきます。凹部分ではデカールが浮いてしまわないように、しっかりと押さえて密着させましょう。

一晩放置してデカールを乾燥させたら、再びクリアーを吹いて全体を保護します。それからさらに一晩置いてクリアーが乾燥したら、コンパウンドで全体を磨いてつやを出しましょう。

これで完成です。簡単ですよね。みなさんもあの頃を思い出して、もう一度ミニ四駆を(弊社で)走らせてみてはいかがでしょうか?

インフィニットループではミニ四駆が大好きなプログラマも募集しています。詳しくは採用情報まで!