インフィニットループ 広報ブログ

2025年02月28日 (金)

著者 : matsuyama

【ILの部活動】漫画部:将棋漫画の話

こんにちは、漫画部・部長のmatsuyamaです。

先日、購入リクエストのあった「ハチワンダイバー」、「ラーメン発見伝」を部費購入しました。

どちらも巻数が多く絶版となっている漫画のため、部費予算が貯まるタイミング、中古で出品されるタイミングを待っていました。

リクエストをしてくれた方々を長らくお待たせしてしまいましたが、どちらの作品も社内で手に取ってくれる方がそこそこいて、ようやく揃えることが出来て良かったなと思います。

将棋の漫画

上記で挙げたハチワンダイバーは、将棋の漫画です。将棋の漫画というか、将棋とメイドの漫画ですかね?

タイトルのハチワンダイバーとは、将棋盤が縦9マス・横9マスで、この9×9=81マスの中に深く思考を潜らせることを指しています。
プロ棋士を目指して挫折し、日々をなんとなく生きていた主人公の菅田が、真剣師(賭け将棋を生業とする者)として本気で生きていくことを決意し、名乗る名前です。
将棋にとても強いメイドさんも出てきます。

ハチワンダイバーはなんというかスピード感のある作品で、軽い気持ちで1巻を開いたら、そこからどんどん読み進めてしまいました。
ただこれは私が、作中の将棋の盤面をあまりきちんと見ていないから、というのもあります。

私は将棋を指せはするもののそれほど上手く無いので、漫画に出てくる盤面もさらっと見るだけで、深くは理解できていないです。
作中の盤面・展開をしっかりと見て・考えられる方であれば、将棋漫画全般をもっと楽しめるのかな、と思います。

最近は、連載を追ったり単行本を買ったりして、続きを楽しみにしている将棋漫画が3つほどあります。
そしてその3つとも、続きを待っている漫画の中では(将棋に限らず、読んでいる全ての漫画の中で)頭一つ飛び抜けて面白い、と感じています。

もちろん将棋漫画の連載自体がひと昔前よりも多く(これにはやはり、藤井聡太竜王・名人の活躍によるところは大きいでしょう)、それにより優れた作品も増えた、というのはありそうです。
他には、3つとも同じ作者の他作品が好きなので、たまたま好きな作者が将棋をテーマに取り上げることが重なった、とも言えるかも知れません。

今回は、私が続きを楽しみにしている将棋漫画「目の前の神様」「龍と苺」「3月のライオン」について、紹介してゆこうかと思います。

※注意:各漫画のネタバレを含む内容となります※

目の前の神様 / 久野田ショウ

主人公の大刀はプロデビューとなる対局で、連勝記録中で話題を集める上方五段と当たり、敗北を喫します。
上方には公式戦30連勝を許しつつ、さらには上方の連勝記録のため詰めかけたマスコミの前で、対局直前に転んで鼻血を出し、悪目立ちをしてしまったのでした。

上方五段の存在は、藤井竜王・名人を意識したキャラとなっています。
8年前、子供の頃に対局したときには大刀は上方に勝っており、「君は十分強かったよ、でも相手が悪かったんだ」などと心の中で考えたりしました。
しかしその後、上方は先にプロ入りし、あらゆる最年少記録を塗り替える華々しい成績を収めてゆきます。

落ち込む大刀は、あるとき不意に上方と話す機会を得ます。
上方は8年前の大刀との対局を覚えており、またプロデビュー戦での大刀の妙手を褒めます。
そして「いつかこれ以上ない美しい一局を指せたらいい、その相手はあなたなのかなと思っている」と大刀に語りかけます。

大刀はひとたび将棋に身が入ると対局者が怯むような集中力を見せますが、普段は落ち込みやすく、少し子供っぽい性格をしています。
例えば、現在では将棋とAIは切っても切れない関係にありますが、そんなAIに大刀が物申したのがこちら。

大刀「AIは将棋指してないで
   バリアとかワープとかすごい技術の開発を頑張って欲しい!!」

目の前の神様/久野田ショウ より

無茶言いますね。AIはドラえもんじゃないんだぞ。
ギャグも面白く、シリアスなシーンも面白い作品だと感じています。

龍と苺 / 柳本光晴

喧嘩っ早い女子中学生・藍田苺は、クラスでいじめをしていた生徒に暴力を振るい、カウンセリングルームに連れられます。
藍田はそこで生徒指導の宮村に、話すだけでは手持ち無沙汰だから、と将棋を指しながら話すことを提案されます。
藍田はこの対局に「命を賭けよう」と言い出し、宮村はそれを受け入れます。

藍田はその場で将棋の簡単なルールを教えられ、対局を進めるのですが、初めての対局とは思えない強さと、気迫を見せます。それでも対局には負けてしまいます。

「命を預かっているからな」と言われ、藍田は宮村に連れられてアマチュア将棋大会に参加します。
そこでも藍田は、将棋を覚えたばかりとは思えない力を発揮し、勝ち進んでゆきます。
藍田の才能を確信した宮村は、本気で将棋をやってみないか、と藍田に提案します。

宮村「…ワシはもう40年以上将棋を指している。さっきの対局相手も似たようなもんだろう。」
宮村「そのワシらに藍田はさっき覚えた程度の棋力で勝った。」
宮村「才能がある! 見てみたい! 藍田がどこまでいけるのか。」

藍田「言っとくけど、将棋の世界なんてどうでもいい。私の興味はひとつだけ。」
藍田「売られたケンカは買う。」

龍と苺/柳本光晴 より

この作品はちょうど去年の今頃に、ストーリーの大きな山場があって、そこから話が急展開しました。
これには私もビックリしましたが、あの山場の続きをそのまま続けても面白いとは思うけれど、あれ以上の凄いことは起こしようがないので、急展開せざるを得なかったのかなとも思います。
私はいま進んでいるストーリーも、とても楽しませてもらっています。

最近読んだ第228話「長い時を経て」のラストシーンは「漫画かよ!」と思いました。漫画です。

三月のライオン / 羽海野チカ

主人公である桐山零は、幼い頃に交通事故で両親と妹を失い、父の友人であるプロ棋士・幸田の養子となります。
桐山は将棋の腕を上げてゆきますが、幸田の実子である義姉の香子や義弟の歩は、棋士への道を断念したり、させられたりします。
いたたまれなくなった桐山は、幸田の家を出て、一人暮らしを始めます。
先の見えない不安から将棋にのめり込み、ひたすらもがくように生きてきた桐山は、あるとき出会った川本家の三姉妹あかり・ひなた・モモとの交流をきっかけとして、少しずつ心を温め、救われてゆきます。

この作品は群像劇のような形で、様々なプロ棋士にスポットを当て、掘り下げて描写してゆきます。
私は9巻の土橋九段とその老いた両親のエピソードが好きで、そこだけ何度も読み返しています。
今回は、そのエピソードを簡単に紹介しようと思います。

土橋九段と両親

第70回名人戦、土橋九段は宗谷名人に挑戦します。
宗谷名人は7冠制覇を成し遂げたこともある現役最強の棋士で、土橋とは同年代の棋士です。
土橋は宗谷に何度もタイトル奪取を阻まれ、タイトルを獲ることができずにいます。
老いた両親も、「宗谷君 昔っからなかなか勝たせてくれないのよねぇ…」と心配します。

母「どんな大会でも勝ち進んでいくと必ず宗谷君がいて
  彼に当たるのが決まるといつも『ああ…もうダメだ!!』って
  見てる私の方が 逃げ出したくなっちゃって…」
母「そんな相手とケンジは 今もずっと戦っているのよね」

母「情けない… 家族なんて 結局いつもこうやって見てるだけ…」

三月のライオン/羽海野チカ より

ちなみにこのあたりで、土橋がPCで研究をしている後ろから「ちゃんと着物がホテルに届いたって」と声をかける母親に、画面から目を離さずに「うん ありがとう」と答えるシーンや、土橋が対局前夜に「いつものヤツ」と母親がくれたお菓子の包みから取り出したコーヒーを淹れ、クッキーをかじって研究を続けるシーンが、何気ないのですが、そうやってずっと積み重ねてきたお互いへの信頼のようなものを感じて好きだったりします。

土橋はこの名人戦に臨むにあたり、今まで指し続けてきた居飛車ではなく、振り飛車を深く研究してきて初戦の勝利を収めます。
居飛車・振り飛車は将棋の戦法の二大分類で、大事なタイトル戦で慣れない戦法を指すことはそうそう無いことだ、とされます。
ゲストに呼ばれた島田八段は「今度こそ名人にという強い決意があったのだと思います、家に帰ってから駒を並べてみたのですが、土橋九段の深く潜った研究の跡に震えました」と語ります。

勝負は最後の第7局までもつれ込みますが、四対三で宗谷名人が防衛に成功します。
TVで応援していた母は、なぜだか今回の敗北はひどくつらい、と嘆きます。

母「A級で身も世もない程がんばって ケンジは毎日毎日ずっと研究してた
  久々に獲得できた名人戦の挑戦権だったの
  頑張ってたの… 見てて怖いくらいに」

母「TVも見ない 出掛けたりもしない
  眠っている時以外はお風呂でも食事中でも手には資料
  それでも勝てないなら あとはもう これ以上何を削ったらいいの
  一日は24時間しかないのよ?」

母「お父さん あの子はこれからどうなるの?
  これ以上どうやってがんばったらいいの?
  このままでは…」

母「あの子自身が削れて 無くなってしまう」

三月のライオン/羽海野チカ より

そして、あの子が帰ってきたらなんて声をかけたらいいのか、と悩みます。

ところが、帰ってきた土橋は両手いっぱいにお土産を持ち帰り、ケロッとした様子で「びっくりした」と言います。
「かなり研究したつもりだったのに、研究の及ばない局面が目の前に沢山現れた。宗谷君も同じようにびっくりしていたのを見て、つい2人で対局中に笑ってしまった。今度から宗谷くん家に行って一緒に研究しようと約束した」と言い、眠いのでとすぐに寝てしまいます。

両親の悲痛な心配をよそに、土橋本人はこれから進める研究のことを前向きに考えている。
この救いのあるエピソードの締め方が、とても印象的でした。

将棋部

ちなみにILには、公式部活動ではないのですが「将棋部」があり、ごくたまに集まって将棋を指しています。

こういった非公式の部活もIL内にはいくつかあり、そこから部員を集めて正式部となった部もあります。
なので、この広報ブログには現れない集まりもありますし、なんなら自ら同好の士を集めて部活を設立するのも良いでしょう。

そしてもちろん、将棋を指せる仲間が増えるのは大歓迎です!

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