インフィニットループ 技術ブログ

2024年04月09日 (火)

著者 : r-hagihara

フィンランドのアーティストが来日!

こんにちは!学生時代はバンドでベースを弾いていた hagi です。

今日は、フィンランドのOULUから2名のアーティストの皆様にお越しいただきました。

Osmo Hakosaloさん

フィンランドの伝統楽器「カンテレ(Kantele)」の奏者で、伝統楽器にデジタル技術を組み合わせたパフォーマンスや、
参加型のワークショップを開催されるなどフォークミュージックを今に残す活動をされています。

Jussi Tuohinoさん

フィンランドでメディアアーティストとして活動し、オウル応用科学大学で音楽の講師をされています。
フィンランドでは、この大学をはじめとして、アーティストを育成する学校で様々なメディアアートの取り組みが行われているそうです。

意見交換会

今回は意見交換会を行い、メディアアートの世界の様々な技術的な取り組みを教えていただきました。

OULUのアート教育では、デジタル技術を使ったメディアアートと伝統音楽をつなぐ取り組みが行われています。

意見交換会では、いくつかの取り組みをご紹介いただきました。

リアルタイム遠隔演奏プロジェクト「LoLa」

ヨーロッパを中心としたLoLaというプロジェクトがあり、300㎞先のスタジオをつないでジャムセッションを行った事例をご紹介いただきました。
リレー処理が非常に高速に行える仕組みで、300kmでも6ms(!)の低遅延で映像音声の転送が行えるとのことでした。
https://www.oomc.fi/2023/02/muse-hankkeen-lola-testien-loydokset/

(ブラウザ翻訳を使うと日本語で読めます)

この遅延(往復12ms)が音楽家にとってどのくらいの体感なのか、ChatGPTに聞いてみました。

BPMは1分間に何回拍子があるかを数える単位です。そのため、1分は60秒なので、60秒をBPMの値で割り、その結果をさらに1000で割ってミリ秒に換算します。
例えば120BPMの場合、1拍は
60秒 / 120拍 = 0.5秒(500ミリ秒)
となります。12ミリ秒は500ミリ秒の約2.4%に相当し、非常に短い遅延です。
感じ方は人によって異なりますが、一般にプロのミュージシャンでも10ミリ秒以下の遅延を区別するのは難しいとされています。素早いテンポの音楽の場合(例えば180BPM以上)、12ミリ秒の遅延が体感できる可能性は高まりますが、それでもほとんどの人にとっては感知しにくい遅延だと言えるでしょう。

ChatGPT

どうでしょうか。
オンラインの対戦ゲームをプレイされる方であれば、往復で60fpsの1フレーム程度( 1000/60=16ms )の遅延、と考えるとそのパフォーマンスをお分かりいただけるかもしれません。
音楽的には、スローテンポのHip Hopやアンビエントだったら、このくらいの遅延はむしろ効果的なvibesになるかもしれませんね。

LoLaを使っている様子はこんな感じです。(ほかのアーティストの例です)

Unity 音響プラグイン「Ambisonic Audio」

また、UnityのAmbisonicAudioというプラグインを使った、空間音響のメディアアートを紹介してもらいました。
実際に体験すると、頭上で鳴っている音が動き回ったり、近づいたり離れたりする様子が体験できるそうです。

このプラグインは、Unityの効果音や環境BGM、メタバースのルーム内でも使えそうですね!
https://docs.unity3d.com/Manual/AmbisonicAudio.html

また、他の技術として、これまでにSuperColliderやMaxを使ってメディアアートを構築しているそうです。

プログラマブルな音響合成環境「SuperCollider」

SuperColliderは音楽生成のためのプログラミング環境で、宣言的にサウンドや楽曲を定義できるのが特徴です。
私もゲームの効果音を作るときに使っています。

コード例

{
  var snare, bdrum, hihat;
  var tempo = 4;

  tempo = Impulse.ar(tempo); // for a drunk drummer replace Impulse with Dust !!!
  snare = WhiteNoise.ar(Decay2.ar(PulseDivider.ar(tempo, 4, 2), 0.005, 0.5));
  bdrum = SinOsc.ar(Line.ar(120,60, 1), 0, Decay2.ar(PulseDivider.ar(tempo, 4, 0), 0.005, 0.5));
  hihat = HPF.ar(WhiteNoise.ar(1), 10000) * Decay2.ar(tempo, 0.005, 0.5);

  Out.ar(0, (snare + bdrum + hihat) * 0.4 ! 2)
}.play

SuperColliderは以下のリンクからインストールできます。ぜひ音を鳴らしてみてください。

SuperCollider
https://supercollider.github.io/

ビジュアルプログラミングソフト「Cycling’74 Max」

Cycling’74 Maxは現代音楽やメディアアートの世界で古くから利用されているプログラミング環境です。
エフェクターをつなぐようにノードを接続していくビジュアルプログラミングが特徴です。
ここ数年のトピックとして、DAWのAbleton Liveを拡張するツールとして使えるようになりました。

Max for Live

 

インフィニットループからは、AutoVRやQuantanoIDのデモを体験していただきました。

AutoVR

「AutoVR」は、最先端のVR技術とデータ活用を融合し、顧客がVR空間上で自動車の内装・外装、ボディーカラー、オプションの装着イメージ等を目の前に実車があるかのように体験することができるソリューションです。
データを活用することで、顧客の嗜好や行動履歴を分析し、パーソナライズされた体験を提供することが可能です。

https://autovr.co.jp/

画像

VRゲームのデモプレイも大盛況!

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